コンプレッサの機種選定方法
Step1 圧縮空気の種類
使用する機械・機器に必要とされる圧縮空気の種類を選定してください。
油分を含まないオイルフリーエア(無給油式)が良いのか?
一般の圧縮空気(給油式)で良いのかを選定してください。
- 無給油式:食品、塗装、医療等特に油分を嫌う用途に最適なことはもちろんのこと、さまざまな用途に適しています。
- 給油式:一般工場用機械の作動用エア源に適しています。
Step2 必要な圧力の確認
使用する機械・機器の常用圧力(MPa)を確認してください。
常用圧力に対し、製品情報コンプレッサの仕様表で制御圧力の下限値が0.1~0.2MPa高い機種を選定してください。
配管の太さ、長さにより圧力降下がありますのでご注意ください。
Step3 使用空気量の確認
使用する機械・機器の使用空気量(L/min)を確認してください。
- 使用空気量は1分間当たりの空気量です。
- 吐出し空気量は、コンプレッサの仕様表を基に、実際に使用する空気量より10%以上余裕を持って選定してください。
コンプレッサの吐出し空気量について
コンプレッサの吐出し空気量は、JIS B8341に従い測定しています。
その際のコンプレッサの吐出し空気量は標準吸込状態に換算した値にて表現しています。
標準吸込状態とはJIS B0142に次の様に記載されています。「コンプレッサが温度20℃、絶対圧力101.3kPa{760mmHg}、相対湿度65%の湿り空気を吸込む場合の吸込み状態。」
Step4 必要な出力の選定
必要な出力(kW・PS)を選定してください。
kW・PS(馬力)の換算表は下記の通りです。
kw | 0.2 | 0.4 | 0.75 | 1.5 | 2.2 | 3.3 | 3.7 | 5.5 | 7.5 | 11 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
PS (馬力) |
1/4 | 1/2 | 1 | 2 | 3 | 4.5 | 5 | 7.5 | 10 | 15 |
下記表は機種選定の際の空気量によるコンプレッサ出力選定の目安です。圧力は0.8~1.0MPa仕様での吐出量となっています。
詳細は各機種のセット仕様表をご参照ください。
Step5 圧縮方法の選定
圧縮方式が複数ある出力レンジの場合、最適な圧縮方法を選定してください。
圧縮方法 | 形状 | メカニズム | 特徴 |
---|---|---|---|
レシプロ | シリンダ内部を往復するピストンの作用で、圧縮室の空間容積を変化させることにより圧縮。 | 本体吐出にバルブが必要で、構造自体トルク変動が大きく低速回転のため音・振動が大きい。但し最も安価。 | |
スクリュー | オス・メス一対二本のスクリューロータのネジ溝にできる容積変化で圧縮。 | 工場エアとして最も普及している給油式圧縮機の機構で、音・振動も小さく、中形クラスでもっとも効率も高い。 | |
スクロール | インボリュート曲線で構成されたラップを180°ずらした状態でかみ合わせ、両ラップに仕切られた空間の容積変化により圧縮。 | バルブが不用でもっともトルク変動が少なく、音・振動が飛びぬけて小さい。また小形クラスでもっとも効率が高い。 | |
クロー | オス・メスのロータが互いに非接触で回転し、両ロータとハウジング間に閉じこめられた空間の容積変化により圧縮。 | オイルフリー専用本体で、2段圧縮を採用し高い効率と耐久性を実現。 |
Step6 駆動源の選定
駆動源の選定をしてください。
モータ駆動かエンジン駆動かの確認。(レシプロのみ)
モータ駆動の場合、電源の電圧、相、周波数(Hz)の確認も必要です。
製品情報に載っているコンプレッサの電源は、3相200Vが標準仕様です。単相と記載してある場合は単相100V仕様があります。標準以外の異電圧については、受注生産で対応致します。
Step7 騒音について
コンプレッサをお使いになる地域の騒音規制を確認してください。
コンプレッサは騒音規制法により設置前に届け出が必要です。法律上、対象となるものは7.5kW以上の機種ですが、各都道府県の条例でそれ以下の機種についても規制している場合があるので注意が必要です。
騒音規制法等のコンプレッサに関連する法律につきましては、「コンプレッサの設置に関する法規」を参照ください。
Step8 周辺機器の選定
周辺機器の選定をしてください。
空気タンク、エアドライヤ、フィルタ、エアトランスホーマなど、適切な周辺機器を選定することはコンプレッサの寿命を延ばしたり、不適合を低減したり、お客様のビジネスに有益です。
豊富なバリエーションの中から最適な機種をお選びください。