一般的に、病院などの医療機関では水封式真空ポンプの利用が主流とされています。しかし、災害時のインフラ復旧においては電気・ガスが優先されることから、水封式真空ポンプを利用している病院では有事の際にポンプが機能せず手術を行えない可能性がありました。小池メディカル様が顧客とする一部の病院でもそうしたリスクを懸念。そこで、水のユーティリティーが不要で設置場所の制約が少なく、オイルフリーでクリーンな機械室を維持できる当社のスクロール真空ポンプを採用していただきました。

旅客機の機体部品の修理にはFRP（繊維強化プラスチック）という素材が用いられ、修理箇所に重ね合わせ接着剤で密着させることで機体を修復していきます。その際に気泡の発生を防ぎ、密着強度を高める役割を果たしているのが真空ポンプです。JALエンジニアリング様は、機体の先端部分にあたるレドームや揚力を増大させるためのフラップなど幅広い機体パーツの修理を手がけており、パーツごとに作業場所が異なることから移動作業に適した可搬式の真空ポンプを求めていらっしゃいました。

さぬき麺機株式会社様が某工場へ設備を導入するにあたり、ユーザー様の要望である「一定時間内に指定の圧力まで引き上げ可能なポンプ」に適合する製品としてアネスト岩田のドライスクロール真空ポンプを導入いただきました。当時は水封式が主流でしたが、それでは能力が足りず、油回転ポンプは油煙が発生するため食品を扱う環境下での使用はNG。そんな中、当社製品はデモトライアルによる試験で要求を満たす能力を発揮し、給排水設備も不要な設置面での取り扱いのしやすさが評価されました。

J-PARC内にあるハドロン実験施設は、大強度陽子ビームの輸送および利用に伴い、放射線が発生する特殊な環境です。そのような環境で使用する真空ポンプは、放射線の影響により部品の劣化が通常よりも早く進行するため、標準品による適用が難しい状況でした。対策として、メーカー委託による特殊仕様のポンプ開発も検討されていましたが、使用台数が決して多くないことからコスト面での負担を懸念。解決策を模索していたところ、当社とご縁があり、サポートをさせていただくことになりました。