お客様と協力して特殊な環境下にも積極的に対応
⼤強度陽⼦加速器施設J-PARC(Japan Proton AcceleratorResearch Complex)は茨城県東海村にある⼤規模な研究施設で、⽇本⼈のノーベル賞受賞でも話題になった素粒⼦やニュートリノといった宇宙の謎や物質と⽣命の起源を探る研究を⾏っています。J-PARCにはいくつかの実験施設がありそれぞれでスクロール真空ポンプISPシリーズを採⽤いただいています。今回はハドロン実験施設で使われている真空ポンプについて紹介します。
素粒子や原子核などの研究施設で活躍するスクロール真空ポンプ
⼤強度陽⼦加速器施設J-PARC(Japan Proton AcceleratorResearch Complex)は茨城県東海村にある⼤規模な研究施設で、⽇本⼈のノーベル賞受賞でも話題になった素粒⼦やニュートリノといった宇宙の謎や物質と⽣命の起源を探る研究を⾏っています。J-PARCにはいくつかの実験施設がありそれぞれでスクロール真空ポンプISPシリーズを採⽤いただいています。今回はハドロン実験施設で使われている真空ポンプについて紹介します。 ハドロン実験施設では、⼤強度陽⼦ビームを輸送するためにビームライン(ビームの通り道)を真空にする必要があり、その真空ポンプに弊社製品が多数採⽤されています。
(トップ画像提供:J-PARCセンター)
耐放射線性向上のためお客様に合ったポンプ開発
ハドロン実験施設は、⼤強度陽⼦ビームの輸送や利⽤に伴い放射線が発⽣する特殊な環境となります。そのような環境でご使⽤いただいている真空ポンプは、放射線の影響により部品の劣化が通常より早く進みます。弊社では、材料の選定から実機への組み込みまでお客様と⼀緒により良いポンプを開発し・現品化を実施します。そのポンプは施設内で評価をいただくことでお客様が本当に求めているものを知り、お客様に寄り添い⼀緒に開発をすることで信頼関係を構築しています。
お客様の環境に合わせた柔軟な保守管理体制
ハドロン実験施設は放射線管理区域として管理されており、真空ポンプのような実験機器のメンテナンスは原則施設内で実施する必要があります。弊社真空ポンプのメンテナンスは⼯具箱に収まる専⽤の治具さえあればどこでもメンテナンスを⾏うことができます。放射線管理区域内で作業に従事するための教育を受けた弊社の熟練したサービスマンが現地で定期的にメンテナンスを実施することで、⻑期的な真空ポンプの健全性維持に貢献しています。
ハドロン実験施設 真空グループ様より
ハドロン実験施設の建設段階から15年以上にわたり、真空装置等でご協⼒いただいています。
当⽅では放射線が発⽣する特殊な環境のため、ビームライン近傍に設置する真空ポンプについては標準品では適⽤が難しいのですが、使⽤台数も決して多くはないため、特殊仕様のポンプ開発をメーカへ委託するのは実際問題としては難しいことが多いです。そのような状況の中、アネスト岩田社さんは放射線に弱い部品の材質変更の検討から実機での実証に至るまで親身にご対応いただいております。適⽤場所によっては標準品から相当な改造を要するような特殊仕様となることがあるのですが、そのようなケースにおいても柔軟に対応いただき、設計通りの性能を達成するあたり、優れた開発⼒を有する企業だと感じています。それに加えて、放射線管理区域内における真空ポンプの定期メンテナンスは、ハドロン実験施設の安定した真空運用を維持するための⽣命線と⾔えるものです。また、今後もビームの⼤強度化等に伴い新たな機器の開発や既存品のより⼀層の改良が必要となる状況が想定されるかと思いますので、引き続きご協⼒いただければ幸いです。
お客様情報
施設名 | 大強度陽子加速器施設 J-PARC |
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所在地 | 茨城県那珂郡東海村大字白方2番地4 |
設置 | 2009年1月 |