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レシプロコンプレッサの日常点検

コンプレッサやエア経路の異常は、ビジネスを継続させるためには未然に防がなくてはなりません。
また製品が消耗した状態での利用は電気代やオイルのコストがかさみ、見えづらい形でコストがかかっているかもしれません。
本ページを参考にしていただき、皆様のビジネスの発展にお役立てください。
※当ページはモデル機種(TLP110EG-14)の点検項目につき、ご利用の機種によって点検項目・期間は異なります。お手持ちの取り扱い説明書をご参照ください。
取扱説明書はインターネット上でもご覧いただけます。(旧モデルはインターネット上に公開していない場合があります)

定期的に点検をしましょう

次の点検項目を定期的に実施してください。定期的な定期整備を怠ると重大な事故(死亡または重症、物的損害など)の恐れがあります。

保守・点検項目一覧表

点検整備は、下記を基準に実施してください。表に示した点検整備基準は、周囲温度が 40°C以下、年間平均温度 30°C、運転時間は年間 2500 時間の場合を想定しています。その他の条件は、設置注意事項によります。過酷な条件下で使用する場合は、点検時期を早めてください。
※当ページはモデル機種(TLP110EG-14)の点検項目につき、ご利用の機種によって点検項目・期間は異なります。お手持ちの取り扱い説明書をご参照ください。取扱説明書はインターネット上でもご覧いただけます。(旧モデルはインターネット上に公開していない場合があります)

  • 例:24 時間連続運転で年間 200 日稼働する場合、点検整備基準は表の半分の時期となります。
  • 点検整備基準は、保証期間とは異なります。
  • ○は点検、●は交換を示します。
  • ※印の内容は、お客様自身で対応することが難しい内容です。お買い求めの販売店または当社支店・営業所・お客様相談室にご連絡ください。
点検整備基準
点検項目 毎日 200時間毎
1ヶ月毎
1250時間毎
6ヶ月毎
2500時間毎
1年毎
10000時間毎
4年毎
総合点検 電装品
(電磁開閉器・圧力開閉器・電動機・電磁弁)
○※ ●※
配管部品
接続管、樹脂チューブゴムホース、防振ゴム
○※ ●※
コンプレッサ
周りの点検
弁セット・
シリンダヘッド
○※
シリンダヘッドパッキン ●※
Oリング・シート・ゴムパッキン ○※ ●※
ピストンリング ○※
ピストン・シリンダ ○※
連接棒セット・
ベアリング
○※
空気タンク
点検
空気タンク
安全弁 ○※
圧力計

ご注意事項

法令により、事業者は使用開始後1年以内毎に1回、空気タンクの点検事項を自主点検し、その結果を最低3年間は記録保存しなければなりません(記録用紙は、取扱説明書のP.36に添付されています)。空気タンクの容量が40L未満の場合は、法的義務はありませんが、安全上から実施してください。10年を過ぎて使用する場合、錆による内部の減肉点検を推奨します。期間は環境により異なります。

液状ガスケットでシールしている部品を取り外した場合は、パッキン面の付着物を完全に除去したうえで、専用の液状ガスケットを均一に塗布して組み付けてください。

その他消耗部品についても、点検整備時に異常があれば新品と交換してください。基本的には、4年毎に無条件に交換してください。

空気タンクのドレン抜き

空気タンクの下部に空気タンクに溜まったドレン(水)を排出するバルブがあります。

こまめに排出することで、空気タンクの錆の低減や空気タンク容量の減少を防ぐことができます。点検方法は取扱説明書をご参照ください。

異常振動・異常音の有無

異常がある場合は取扱説明書をご参照ください。

圧縮機内部から異常音がしているような場合は、専門のエンジニアによる修理が必要なケースが多いです。

潤滑油量の確認

朱円内に油面が入っていることを確認してください。

潤滑油不足からは焼き付き(ロック)など重大な破損事故の原因となります。また劣化したオイルを利用することはピストンリングやベアリング類の摩耗を早め、性能低下や早期破損に繋がります。

ボルト・ナット・ねじ類の緩み

適切な工具で増し締めを行う。

コンプレッサは振動を伴う機械ですので緩みが発生しやすいです。点検をお願いします。

制御機器の作動 (圧力計・圧力開閉器)

異常がある場合は、お買い求めの販売店または当社支店、営業所、お客様相談室へご連絡ください。

圧力計の針上がり(針が下がらない)を短期間で繰り返す場合は、コンプレッサの車輪部が接地しているか、強固な地盤に設置しているか確認をお願いします。空気タンク内に水が溜まっている場合も発停頻度が多くなり、針上がりに繋がりやすくなる場合があります。ドレン排出は毎日お願いします。

ベルトの確認

元電源を遮断して、取扱説明書を見ながら確認をお願いします。

元電源を遮断し、運転停止中にベルトガードの隙間からベルトの傷やクラックを確認します。
ベルトの張り加減を確認する場合はベルトガードを外し、ベルトのスパン中央部分を軽く押さえ、 10~15mm ほどへこむ程度の張力であることを確認してください。
緩みのある場合は、電動機をスライドさせて調整してください。
ベルトに摩耗・傷みのある場合は、交換してください。

確認が完了したら電源を入れ、運転開始直後に、極端なスリップ音が出ていないか確認します。
運転中には、ベルトのバタツキやベルトガードとの接触がないか確認します。

フィルタ(吸込口)

エアブローにより粉塵を除去(内側から外側に向かい)します。汚れがひどい場合は交換してください。

吸い込み口フィルタの目詰まりは吐出空気量を減少させるほか、異物を内部に吸い込んでしまいピストンリングの摩耗などに繋がります。ピストンリングの摩耗は空気量減少やオイル消費量の増加につながります。

潤滑油の全量交換(初回)

取扱説明書を参考に潤滑油を全量交換してください。

初期は内部部品同士が馴染むために、金属の摩耗分などが発生しやすいです。よって初回は短期間での全量交換を推奨しています。

圧縮空気の漏れ

コンプレッサの圧縮空気の吐出バルブを閉じ、最高圧力で 30 分間放置し、圧力降下幅が最高圧力値の 10%以内であるかを確認します。

圧力効果が大きい場合は、空気タンクへの部品取り付け部・ネジ部からの漏れ、圧縮機本体の高圧側弁セットの吐出弁のシート不良、安全弁・電磁弁などのシート不良などが考えられます。

潤滑油の乳化確認

潤滑油(オイル)の色が白っぽい場合は乳化の可能性があります。

1.0MPa 仕様は、間欠運転によって潤滑油の白濁や水分の混入(結露)が起きる場合があります。この現象を乳化と呼びます。白濁が顕著な場合は、潤滑油を交換してください。白濁を放置するとベアリングへの錆発生による異常音発生につながります。乳化防止には、オプションを用意しています。当社支店・営業所・お客様相談室にご連絡ください。

車輪への注油

車輪(4 ヶ所)の注油穴に潤滑剤を注入します。

車輪付きのコンプレッサをご使用の場合、車軸部に潤滑材の注入をお願いします。車輪が固着してしまいますとコンプレッサの振動が逃げにくくなり、車軸部へ負荷がかかるため溶接部などの破損の原因になります。車輪が浮いている場合に固着しやすくなるため、車輪が空転しないか確認してください。空転する場合は鉄板を敷くなどして、接地するようにしてください。車輪の固着が確認された場合は、修理を依頼してください。

電装品(電磁開閉器・圧力開閉器・電動機・電磁弁)

接点の荒れ、電動機の絶縁抵抗(リード線とアース間の抵抗1MΩ以上)を点検します。また堆積した塵埃を清掃します。

不具合のある部品は交換してください。
電磁開閉器は接点が摩耗しているため4年後毎に定期的に交換してください。

配管部品(接続管、樹脂チューブ、ゴムホース、防振ゴム)

硬化、ひび割れなどを点検します。

ゴム・樹脂チューブは4年毎に交換してください。

弁セット・シリンダヘッド(圧縮機本体)

弁セットに付着したカーボンなどを除去します。清掃できない場合は交換してください。

コンプレッサの分解には知識、専門のスキルが必要です。

シリンダヘッドパッキン(圧縮機本体)

弁セット・シリンダヘッドの点検時にパッキンがめくれるため、交換が必要です。

コンプレッサの分解には知識、専門のスキルが必要です。

Oリング・シート・ゴムパッキン(圧縮機本体)

劣化(弾力なし)や変形があれば交換します。4年毎に交換してください。

コンプレッサの分解には知識、専門のスキルが必要です。

ピストンリング(圧縮機本体)

リングはリングセットで交換します。リングの幅90%以上に当たりがみられる場合は交換が必要です。

コンプレッサの分解には知識、専門のスキルが必要です。
ピストンリングの摩耗はオイル消費量の増加、吐出空気量の減少(昇圧が遅くなる)に繋がります。

ピストン・シリンダ(圧縮機本体)

ピストンの外面やシリンダ内面に傷、段付き摩耗等が多い場合は交換します。

コンプレッサの分解には知識、専門のスキルが必要です。
ピストンリング溝の付着物は清掃します。

連接棒セット・ベアリング(圧縮機本体)

回転状態、異常音の有無を確認します。

コンプレッサの分解には知識、専門のスキルが必要です。
異常がある場合は、交換してください。クランク軸セットでの交換となります。

空気タンクの点検

外観検査、内部の清掃を行います。

胴、鏡板等の腐れ、漏れ、ふくれの有無を点検します。検査穴のふたを外し、内部を清掃します。
検査穴のふたがない機種は、配管を取り外して清掃します。
検査穴のふたおよび配管の位置は取扱説明書をご参照ください。

安全弁の点検

漏れがないことを確認します。

漏れがある場合は、交換してください。

圧力計の点検

圧力計の指針が圧力0の際に、0を指しているか確認します。

0でない場合、針上がり(内部ギアの摩耗による引っ掛かり)が起きていると想定されます。
圧力計の交換が必要です。圧力計の交換時は空気タンク内のエアを完全に放出してから行ってください。また、交換後は車輪納期がないか、発停頻度は多くないかなど、圧力計のギアを摩耗させるような振動に繋がる異常個所がないかご確認をお願いします。

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