屋外設置型のスクロールコンプレッサで限りあるスペースを有効活用
1995年に通関事業を目的に設立して以来、倉庫業、輸送業、水産加工業と幅広い事業展開をされている株式会社ミック様。今回水産加工業を拡大するため、神戸テクノ・ロジスティックパークに西日本最大級の鮭の切り身加工工場を建設しました。月産250トンの生産能力を誇る新工場に屋外設置型のオイルフリースクロールコンプレッサを導入いただいたため、その経緯を伺いました。
【本事例のポイント】
・屋外設置型のスクロールコンプレッサでスペースを有効活用
・お客様の消費空気量に合わせたコンプレッサ選定
・オイルフリーコンプレッサで食品衛生管理をサポート
高品質な鮭を提供するための最新加工技術
御社について教えてください
解凍工程を極力減らした鮭の切り身加工をしています。完全に解凍してから加工すると薄ピンク色のドリップが発生します。それによりたんぱく質のうまみ成分が出てしまい、鮭の食味や色味、栄養に変化が起こり、品質の低下につながります。そのため、鮭の加工が完了し再冷凍する場合も、最新設備を用いて急速冷凍することで、ドリップの発生を防いでいます。加工が完了すると、水産加工工場の隣にある冷凍保税倉庫へ搬入し保管しています。輸送業や倉庫業など様々な事業を行っていることで、急な需要の増減に対してフレキシブルな対応が可能です。今後もお客様に新鮮で高品質な鮭を提供できるよう取り組んでいきます。
工場スペースの有効活用とHACCP準拠の衛生管理
アネスト岩田を選んだ経緯を教えてください
もともと工場の機械室にはスペースに限りがあり、排熱量と騒音の大きなコンプレッサは屋外に設置しようと検討していました。そのため、設備業者の方に設備の稼働に必要な空気量について相談したところ、「消費空気量の変動が大きいため、その変動を吸収できるコンプレッサ」が適していると提案されました。そして、屋外にも設置できるスクロールコンプレッサを紹介いただきました。当初はスクリューコンプレッサを考えていましたが、スクリューコンプレッサは空気量が多く、当社では過剰スペックになるということでした。
また、今回採用した機種は1つの筐体の中に圧縮機とモータを複数台搭載しています。圧縮空気の供給が止まるリスクを極力減らすことができることも決め手の1つでした。
そのため、負荷変動への追随に優れ屋外設置可能で、圧縮空気の供給停止リスクの低いスクロールコンプレッサを導入することに決めました。
コンプレッサはどのような工程に使用されていますか
切り身定貫スライサーやヒレ切断用のエアツール、水洗い後のエアブローなど様々な工程に使用しています。特にヒレ切断用のエアツールや水洗い後のエアブローは、製品に空気が触れる可能性があり、給油式のコンプレッサでは、エアにオイルが混じる心配もあります。
当社では、HACCPに準拠した衛生管理をしているため、コンプレッサの導入検討時にはオイルフリーであることを必須条件として考えていました。加えて屋外設置型のオイルフリースクロールコンプレッサを導入したことで、工場内にスペースの余裕が生まれました。これからも設備を増設する計画があり、屋外にコンプレッサを設置にしたことで、将来的な選択肢が広がりました。
子どもたちにつなぐ魚食文化
今後の取り組みについて教えてください
私たちの生活に欠かせない魚食文化を次の世代に繋げていきたいと考えています。
最近は、子どもたちが自然に触れ合う機会が減ってきています。魚食文化を伝えることで、食生活だけでなく自然との触れ合いを増やし、魚の加工や保存方法など、どのような工程を踏んで、食卓に届けられているのか知ってもらいたいと思っています。今年から中学生を対象に職場体験を実施する予定です。普段スーパーに並んでいる鮭をきっかけにたくさんの事に興味を持ってもらいたいですね。
お客様プロフィール
社名 | 株式会社ミック |
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本社所在地 | 兵庫県神戸市西区見津が丘6-18-1 |
設立 | 平成7年4月26日 |
資本金 | 20,000,000円(2024年12月1日現在) |
URL | https://www.mikcorp.com/company/ |