オイルフリーコンプレッサで環境改善と品質・効率向上
1985年の設⽴以来、半導体製造で使⽤されるスパッタリングターゲット材や付属部品、半導体製造装置部品などを製造しております。チタンやタンタルなどの⾮鉄⾦属の加⼯などを得意としているフジメタル様は、特にスパッタリングターゲット材の加⼯においては世界シェア30%を超え、世界をリードする企業です。
給油式コンプレッサ使⽤時の課題と、オイルフリーコンプレッサ導⼊後の成果を伺いました。
本事例のポイント
- オイルフリーのクリーンエア導入により品質向上
- 静音化による近隣への環境改善
高い加工技術力で世界の半導体を支える
御社の事業を教えてください
主に半導体用スパッタリングターゲットやスパッタ装置用コイル・パーツセットを製造しております。スパッタリングターゲットとは成膜方法のひとつであるスパッタで薄膜の素材として使われる材料です。主に銅、タルタン、アルミ、チタン、タングステンなどが使われています。あまり聞き慣れないスパッタリングターゲットですがあらゆる半導体の基になる製品で、液晶ディスプレイ、ハードディスクドラブ、プリンターヘッドなど様々な製品に使用されています。コイル・パーツセットにつきましては、精度を求められる製品で、当社はそれに対応できる技術力を持っており、世界シェアトップを誇っています。そのため大手金属メーカーからの信用も厚く長年取引を続けており、安定した経営基盤を確立しています。
そんな製品を製作している当社は半導体の縁の下の力持ちでもあり、裏で皆様の生活を支えている企業の一員と思っております。
24時間稼働で常にエアーが必要
コンプレッサはどのような工程に使われていますか
工場内の機器駆動用と製品の表面についた汚れを取り除くためのエアブローに使用しています。
当社工場はNC旋盤をベースとしたターニングセンタを中心に、加工の済んだ製品を取り出すためのハンドリング用ロボットなど24時間稼働しています。
最新の加工機では加工以外にも、切粉の付着を防いだり、装置の中に油分や水分が入らないよう主軸にもエアを吹き付けるため多くの空気量を必要とします。
また、ハンドリング用ロボットは真空パッドで吸着するため、表面に水分が含まれているとチャッキングが弱くなるため、駆動エアはドライエアでなくてはなりません。
給油式で悩まされていた工数増と騒音問題
導入前にはどんな課題がありましたか
従来、給油式コンプレッサを使⽤していた際は、オイルが噴き出すこともあり⼯作機械の駆動には使⽤できても、製品への吹付には課題がありました。当社が制作しているスパッタリングターゲットの⾯粗度の要求値は厳しく、表⾯に油分・⽔分等が付着することでできるシミは錆の発⽣に繋がり除去するには1〜2⼯程増えていました。そこで、給油式コンプレッサの使⽤をやめる⽅針に切り替え、順次オイルフリーに⼊れ替えを進めることになりました。
さらに当社は準工業地域で民家と接近しています。24時間稼働のため、深夜になると騒音が目立ってしまっていたこともあり、入れ替え時期に合わせ設置場所の変更に加え、静音性を考慮して選定することにしました。
以前からアネスト岩田の製品を使用していましたが、改めて他社と比較すると特に静音性に優れていると感じ、導入を決めました。
工数削減で品質向上 環境改善も
実際に導入してみて感想を聞かせてください
これまで悩まされていた、油分や⽔分の付着がなくなり、シミによる錆の発⽣を抑えることができました。
これにより余計にかかっていた工数も削減することができ、生産効率の向上にもつながりました。
さらに静音性の高いオイルフリーコンプレッサに切り替え、設置場所を屋内にしたことにより騒音問題も解決しました。
これで地域住民の方にも安心して夜を過ごしていただけ、当社も問題なく24時間稼働することができると思うとホッとしました。
半導体供給不足解消のため世界に貢献
今後の取り組みを教えてください
当社はおかげさまで右肩上がりの成長を続けております。昨今、半導体不足による自動車、電化製品、工業製品等の納期が遅れている状況が続いております。半導体供給不足を減らすためにも新たに工場を増やし設備投資を続け、増産することで微力ながら世界に貢献できる用に努めてまいります。
お客様プロフィール
社名 | 株式会社フジメタル |
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本社所在地 | 神奈川県川崎市川崎区日ノ出2-7-16 |
工場 | 本社工場 第二工場 第三工場 第四工場 第五工場 日ノ出工場 田町工場 水江工場 塩浜工場 浅野工場 |
設立 | 昭和60年5月30日 |
資本金 | 1,000万円(2023年8月20日現在) |
URL | http://www.fuji-metal.co.jp/ |